秋彼岸と彼岸花
日常
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お彼岸の頃に咲く、少し不思議な花
朝晩の空気に少しずつ秋らしさを感じるようになると、田んぼの畦道や道端に、鮮やかな赤い花が姿を見せ始めます。
「彼岸花(ひがんばな)」です。
毎年、不思議なくらい秋のお彼岸の頃になると咲き始める彼岸花。
普段はあまり意識することのない花かもしれませんが、「なぜ彼岸花という名前なのだろう」と考えてみると、その名前には季節との深い関わりがあります。
今回は、秋の訪れを知らせてくれる彼岸花についてご紹介します。
〇なぜ「彼岸花」と呼ばれるのでしょう
彼岸花は、例年9月中旬から下旬頃に花を咲かせます。
ちょうどこの時期は、秋分の日を中日とする秋彼岸の頃です。
その頃に花を咲かせることから、「彼岸の時期に咲く花」という意味で「彼岸花」と呼ばれるようになったとされています。
気温や天候によって多少前後するものの、毎年ほぼ同じ季節になると、地面からすっと茎を伸ばし、一斉に赤い花を咲かせます。
「もうすぐお彼岸だな」
彼岸花を見て、そんなふうに季節を感じる方も多いのではないでしょうか。
昔は今以上に、草花の様子や風の変化などから季節の移ろいを感じていたことでしょう。
彼岸花もまた、秋彼岸の訪れを知らせる花として、人々の暮らしの中に根付いてきたのかもしれません。
〇葉のない時期に花を咲かせる不思議な植物
彼岸花には、少し変わった特徴があります。
花が咲く頃には、葉がほとんど見当たりません。
秋になると地面から花茎だけが伸び、その先に鮮やかな赤い花を咲かせます。
そして花が終わった後に葉が伸び始め、冬を越し、春になるとその葉も枯れていきます。
一般的な草花とは少し違うため、昔の人にとっても不思議な花に見えたことでしょう。
花と葉が同じ時期に姿を見せないことから、
「葉は花を思い、花は葉を思う」
そんな言葉で表されることもあります。
鮮やかでありながら、どこか静かで儚げな印象を持つ彼岸花。
毎年お彼岸の頃に咲くことと、この少し不思議な姿が重なり、昔から特別な花として見られてきたのかもしれません。
〇「曼珠沙華」というもう一つの名前
彼岸花には「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という別名もあります。
曼珠沙華は仏教に由来する言葉で、経典には天上に咲く花として登場します。
「彼岸花」という名前だけでもどこか印象的ですが、「曼珠沙華」という響きになると、さらに神秘的な雰囲気を感じます。
一方で、彼岸花には毒性があることでも知られています。
特に球根には毒があり、昔から田畑の畦や墓地の周辺などで多く見られてきました。
そのため、地域によっては少し怖い印象を持つ名前や言い伝えが残っていることもあります。
華やかな姿を持ちながら、どこか近寄りがたい雰囲気もある彼岸花。
秋彼岸の頃に咲くという季節との結びつきや、独特な花の姿、そして「曼珠沙華」というもう一つの名前を知ると、
普段何気なく見ている彼岸花も、少し違って見えてくるのではないでしょうか。
岩澤

